クラブの窓 vol.7


 

「えたじま日本語クラブ2022」

第2回ボランティア養成講座を開催しました。

 

1年に2回、ボランティア養成講座を開催しています。

今年度2回目となる講座では、日本語クラブにも参加が増えつつある外国人の「子ども」について、課題や背景、支援の方法について学び、考える機会となりました。

講師は県立広島大学から中石ゆうこ准教授にお越しいただきました。

中石先生は広島市の基町小学校での実践活動から、外国人の子どもたちへの支援についても研究を続けられており、実践と研究を兼ね備えた、大変有意義な講座でした。

講座は終始和やかな雰囲気の中行われ、参加者からも積極的な発言が多く出ました。

発言を通して、参加者自身がこれまでの振り返りを行うこともできました。

なお、江田島市教育委員会からも1名参加いただき、今後の連携がよりスムーズになることを期待しています。

 

第2回 「えたじま日本語クラブ2022」 ボランティア養成講座報告から抜粋

 

日 時:令和4年11月23日(水)10:00~11:30 参加者:14人(新規登録者1人)

内 容:

1.「江田島市在住外国人(子ども)の現状について」(江田島市役所人権推進課)

江田島市の外国人市民の数や国籍、地域の状況など、日本語クラブの設立の経緯や国際交流協会における位置づけなどもまとめて発表。特に、子どもの数は子ども園〜高校まで全体で40人弱、今後も増加していくだろうということです。

 

2.「外国につながる子どもたちの支援について考えよう」

講 師:中石ゆうこ先生 県立広島大学 大学教育実践センター・国際交流センター准教授

 事前に渡した質問を中心として、お話いただきました。以下、質問(Q)とその答えや意見をまとめました。

 

Q1:子どもの日本語指導に使うおすすめの教材がありますか。

→良い教材は多くあるが、音読は効果がある。(発)音と仮名、単語、文へと理解が進んでいく。

Q2:日本語以外の教科を指導するのはどうしたらいいですか。

→算数、国語それぞれの特徴がある。科目の特徴を踏まえて指導していく。すべて理解して、覚える必要はないのではでないか。(読めれば良い語彙、使用できた方が良い語彙などの分類をして指導するのは効果的)。

Q3:成人と子どもとでは日本語の指導の仕方が違うと思うのですが、気を付けたらよい点 などありますか。

→第二言語習得の観点から、語彙概念の(母語での)基盤がない子どもに対しては、新出語彙の概念を丁寧に伝えることが大切。アイデンティティー、その人を取り巻く状況も踏まえて指導することは大切。母国での教育カリキュラムは日本のものと同じとは限らない(学ぶ順番が異なる場合がある)ので、日本の教育システムに捉われることなく、本人の理解を確認しながら指導しよう。

Q4:保護者(外国籍で日本語や日本の文化習慣などに精通していない)とのコミュニケーションの図り方や、子どもの教育について理解を得るためのコツや良い事例などがあったら知りたいです。

→保護者との関係、家族の関係はとてもセンシティブな問題です。各事例を皆で共有しました。

Q5:外国から連れてくる場合に、何歳(何年生)が良いという区切りの学年などありますか?

→ 一概には言えないが、一つのポイントとして受験期は避けた方が良いでしょう。もし受験期に来日するなら、学年を下げるなどの対応ができるのかよく調べること。
参考*文部科学省 > 教育 > 小学校、中学校、高等学校 > 小・中学校等への就学について > 就学事務 Q&A > 13. 外国人の子等の就学に関する手続について

 

3.質 問&意見交換

→ 随時行いました